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短波放送について

短波放送の魅力

短波放送の魅力は、何といっても何千kmも離れた外国からダイレクトにラジオ放送が聴けることです。日本のメディアではわから ないその国の知られざるニュースやその国の文化が知れます。とても面白いです。
また、未知の放送局を探し出したり、日本語・英語以外の言語をBGM代わりに聞いたりする楽しみもあります。 短波放送の性質上、季節により周波数が度々変わります。放送中の周波数変更の告知を聞いたり、各放送局のホームページで調べたり、 放送局にプログラムガイドや周波数表を送付して頂くようにすると良いでしょう。
また、受信報告書を放送局に送りますとベリカードと呼ばれる返信の手紙がきます。各放送局意匠を凝らしたデザインで、これを集め ることを趣味とする人もいます。
残念ながら最近は、インターネット放送や衛星放送の充実と財政難から短波放送全体の縮小傾向が見られます。

短波の伝わり方

短波の伝達の仕組み

短波(SW)放送は、主に短波帯と呼ばれる3,000~30,000kHzの周波数帯で放送されています。小出力で遠くまで電波が届くことから国際 放送に主に使用されています。
上空70~500kmには電離層があり、短波放送の電波は、電離層を反射して遠距離まで伝達されます。電離層の性質より、夏期や昼間には 高い周波数、冬期や夜間は低い周波数で伝送されます。
一方、AM放送の電波は、電離層で減衰してしまいます。FM(VHF)・TV(U・VHF)放送の電波は、電離層を透過してしまいます。従って、AM・FM・TV 放送の電波は遠距離まで届きません。
しかし、短波は、電波がさまざまな経路を経ることにより電波同士で位相差が生じ、位相が一致すると強く受信ができ、位相が打ち消しあう ように重なると電波が弱く受信されます。
この現象は、受信機を聞いていますと周期的に「サザー」という波打つ音が聞こえます。これがフェージングという短波放送独特の現象 です。

周波数帯とメータバンド

ITU(International Telecommunication Union,国際電気通信連合)によって(短波)放送用に周波数帯が以下の 表のように割り当てられています。この周波数帯のことを、波長で表現し、何mバンドといった言い方をします。

波長(m,メーターバンド)周波数帯(kHz)特徴
1202,300~2,495熱帯地方専用局
903,200~3,400同上
753,900~4,000ラジオNIKKEIが使用している
604,750~5,060熱帯地方のローカル局が主
495,900~6,200夜間や冬季に主要局が使用している
417,200~7,450同上
319,400~9,900同上
2511,600~12,100短波のメインストリーム
2213,570~13,870最近割り当てられたバンドで使用局は少ない
1915,100~15,80025mバンド同様短波のメインストリーム
1617,480~17,900同上
1518,900~19,020最近割り当てられたバンドで使用局は少ない
1321,450~21,850夏季に主要局が使用している
1125,670~26,100太陽黒点の活発な時期に使用される

短波ラジオについて

短波放送を受信するには、短波受信に対応した受信機が必要です。 短波受信機は、ソニー、オーム社、中国・台湾のメーカーから発売されていますが、
私のお勧めは、ソニーのICF-7600GRです。
残念ながら、ソニーの方で生産停止となってしまい入手が困難になってしまいました。 ICF-SW7600GR

ICF-7600GR
(SONYのホームページより)

薦める理由として

  1. 受信周波数が150kHz~29,999kHzと長波・中波・短波帯全てカバーしていて、FMも76MHz~108MHz受信できること
  2. SSB(片側搬送帯)受信対応であること
  3. 同期検波回路(フェージングによる音のひずみを軽減する回路)があること
  4. テンキーでダイレクトに周波数入力ができること
  5. 100局の周波数メモリーができること

※欠点として、放送局名をディスプレイに表示できないこと、ジョグダイヤルがないので未知の放送局を探すときに 操作しづらいです。

これくらいの機能がないと雑音や混信やフェージングの問題がある短波放送受信が難しいです。1万円以下の受信機は、 はっきり言って使えません。

アンテナ

アンテナの性能で受信感度が変わります。受信機の性能と同様に重要です。短波放送の受信に使用されるアンテナとして 大きく分けてワイヤー型と非ワイヤー型があり、非ワイヤー型には更にアクティブ型とパッシブ型に分かれます。
ワイヤー型アンテナは、広い敷地内にアンテナワイヤーを高く設置するものであります。 非ワイヤー型アンテナにはループ型(本体が円形などループ状)、ホイップ型(本体が棒状またはヘリカル状)が代表的であります。 アンテナの直下にプリアンプを内蔵して増幅して受信機に伝える形式をアクティブ型、そうでないものを、パッシブ型といいます。
アクティブ型アンテナは、感度も良いのですが受信機の性能によっては、混変調や相互変調を起こしやすく、アンテナ本体と直結 したプリアンプとコントローラー、電源を必要とします。
詳しくは、短波関連の書籍から参照してください。

私のラジオ&アンテナ

ちなみに私の受信機は、台湾のメーカーSANGEAN社製のATS-909Xです。
日本の小売店では扱っておらず、インターネット上の店舗からの購入するしか方法がありません。 かつての取扱説明書は、日本語に対応しておらず、初心者が取り扱うには難しいラジオでしたが、日本語の説明書が付くようになりました。
この受信機は、同期検波回路は無いが、SSB受信対応で、短波帯全ての周波数をカバーし、放送局名がディスプレイに 表示され400個(周波数)近くメモリーできます。このメモリーは、とても重宝しています。
また、ジョグダイヤルが付いており、短波放送局をスキャンするのに便利です。

ATS-909X

私のラジオATS-909X

SANGEAN-ATS909X の感想

  • 電源 

    ACアダプタが貧弱で3年程度で壊れます。ACアダプタは壊れるまで使い、その後は、充電式の乾電池を使用したほうがいいです。バッテリーの消耗は日本製のラジオに比べて早く、6か月程度の使用で充電が必要になります。

  • ボタン 

    ジョグダイヤルがマウスのホイールっぽく、回すのがやや硬い。その他は普通。

  • デザイン 

    秀逸

  • 画面表示 

    秀逸。周波数が表示できないと短波ラジオの使用では厳しい。

  • 操作 

    周波数登録やダイレクトに周波数を入力するときに、回りくどい操作が必要になる。

  • 感度 

    FMは良好。AM(中波)は、RFゲインで調整できるが、アンテナや放送局の発信電波の強度の方が重要です。それでもAM、SW(短波)とも良いです。

  • アンテナ 

    ホイップアンテナは最大長に伸ばすと長すぎます。あまり伸ばさないで使用したほうがいいです。それでも電波はよく入ります。外部アンテナ入力端子がありますので、信号強度が弱いときは外部アンテナを使用するのも一手だと思います。

  • SSB 

    必要性は感じないがあったほうが良い。SSB受信として基本的なことはできている。

  • 音質 

    FMはステレオ対応で良好。LW(長波)・AM・SW(短波)帯域を狭めたり、トーンを変えることができるが一般的なAMラジオと同じ音質と感じる。普通。

  • メモリー 

    LW2ページ*9チャンネル(18)、MW2*9(18)、SW39*9(351)、FM3*9(27)。中波のメモリーが少ない。他の周波数帯は十分。

  • 耐久性 

    ACアダプタはだめ。それ以外は、大事に扱えば10年以上は持ちます。

    〈独自機能〉

  • ATS 

    ATSボタンを押すと、電波の強い放送局の周波数を自動でメモリ登録してくれる機能。

  • RDS 

    FMのRDS放送システムに対応。時刻の自動修正、FM放送局の放送曲名。番組情報などを小容量の文字情報で表示するシステム。日本では対応していない。

  • スケルチ 

    無線機で使用される機能である。バックグラウンドの雑音等を打ち消す機能である。けれども、放送局の信号も同時に打ち消されて弱くなるので、あまり必要性を感じない。

    外部アンテナ

    付属品のコンパクトアンテナAN-71です。ベランダにワイヤーを張っています。効果は多少感度が上がる程度です。 ほとんど、感度がよくなるおまじない程度で、外部アンテナの役割を果たしていません。

    AN-71

    私のアンテナAN-71

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